前回学んだ平方根の続きです。 分母に平方根がある式の整理法である有理化を学びます。 有理化にはいくつかの利点があります。分母に平方根を残さないようにしましょう。
目次
有理化
分母に平方根がある式は扱いづらいです。 例えば\(\sqrt{2} = 1.414\)として\(\displaystyle\frac{1}{\sqrt{2}}\)の値を求めることを考えてみましょう。 そのまま計算しようとすると\(1 \div 1.414\)というしんどい計算をする必要があります。
この例のように無理数で割る計算はなるべくしたくありません。 ということで分母に平方根がない式に変形しましょう。 次の計算を見てください。
このように\((\sqrt{a})^2 = a\)を利用することで分母の平方根をなくすことができます。 これを分母の有理化といいます。 分母分子に同じ数を掛けても式の値は変わらないのでこのような計算ができます。
分母を有理化すれば\(\displaystyle\frac{1}{\sqrt{2}} = \displaystyle\frac{\sqrt{2}}{2} = \displaystyle\frac{1.414}{2} = 0.707\)と先ほどの計算も簡単に行えます。
もうひとつ有理化の例を見てみましょう。\(\displaystyle\frac{1}{\sqrt{5} + \sqrt{2}}\)の分母を有理化します。 どうにか\((\sqrt{a})^2 = a\)を利用して分母の根号を外したいですが, \((\sqrt{5} + \sqrt{2})^2 = 7 + 2\sqrt{10}\)なので単純に分母と同じ数を掛けても根号は残ってしまいます。
そこで有効なのが和と差の積の公式です。 次の計算を見てください。
分母の符号を少し変えたものを掛けることで和と差の積の形を作りました。 和と差の積の公式なら2乗の項だけにできるのでうまく根号を消せるわけですね。
有理化の利点は「計算しやすくなる」の他にもあります。 上の例で見たように例えば\(\displaystyle\frac{1}{\sqrt{5} + \sqrt{2}}\)と\(\displaystyle\frac{\sqrt{5} - \sqrt{2}}{3}\)は全く同じ値です。 同じ計算をしても人によって計算結果の見かけが異なることがあるわけです。 同じなのに見た目がバラバラでは非常に分かりにくいです。
そこで「分母は必ず有理化する」というルールを設ければ計算結果を統一できます。 分数の約分と同じで\(\displaystyle\frac{3}{9}\)でも\(\displaystyle\frac{2}{6}\)でもなく\(\displaystyle\frac{1}{3}\)と書きましょうということです。
確認問題
次の式の分母を有理化してください。
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\(\displaystyle\frac{2}{\sqrt{5}}\)
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\(\displaystyle\frac{4}{\sqrt{2}}\)
-
\(\displaystyle\frac{\sqrt{2}}{\sqrt{5} + \sqrt{2}}\)
-
\(\displaystyle\frac{4}{\sqrt{7} - \sqrt{3}}\)
答え
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分母を2乗の形にしましょう。
\( \begin{align} \displaystyle\frac{2}{\sqrt{5}} &= \displaystyle\frac{2}{\sqrt{5}} \times \displaystyle\frac{\sqrt{5}}{\sqrt{5}} \\[5pt] &= \textcolor{red}{\displaystyle\frac{2\sqrt{5}}{5}} \end{align} \) -
分母を2乗の形にしましょう。
\( \begin{align} \displaystyle\frac{4}{\sqrt{2}} &= \displaystyle\frac{4}{\sqrt{2}} \times \displaystyle\frac{\sqrt{2}}{\sqrt{2}} \\[5pt] &= \displaystyle\frac{4\sqrt{2}}{2} \\[5pt] &= \textcolor{red}{2\sqrt{2}} \end{align} \) -
和と差の積の公式を利用します。
\( \begin{align} &\displaystyle\frac{\sqrt{2}}{\sqrt{5} + \sqrt{2}} \\[5pt] &= \displaystyle\frac{\sqrt{2}}{\sqrt{5} + \sqrt{2}} \times \displaystyle\frac{\sqrt{5} - \sqrt{2}}{\sqrt{5} - \sqrt{2}} \\[5pt] &= \displaystyle\frac{\sqrt{10} - 2}{5 - 2} \\[5pt] &= \textcolor{red}{\displaystyle\frac{\sqrt{10} - 2}{3}} \end{align} \) -
和と差の積の公式を利用します。
\( \begin{align} &\displaystyle\frac{4}{\sqrt{7} - \sqrt{3}} \\[5pt] &= \displaystyle\frac{4}{\sqrt{7} - \sqrt{3}} \times \displaystyle\frac{\sqrt{7} + \sqrt{3}}{\sqrt{7} + \sqrt{3}} \\[5pt] &= \displaystyle\frac{4(\sqrt{7} + \sqrt{3})}{7 - 3} \\[5pt] &= \displaystyle\frac{4(\sqrt{7} + \sqrt{3})}{4} \\[5pt] &= \textcolor{red}{\sqrt{7} + \sqrt{3}} \end{align} \)
\(\sqrt{2} = 1.4, \ \sqrt{5} = 2.2\)とします。 次の値を小数で表してください。
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\(\displaystyle\frac{1}{\sqrt{10}}\)
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\(\displaystyle\frac{3}{\sqrt{5} + \sqrt{2}}\)
答え
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まず有理化しないと計算が大変なことになります。
\( \begin{align} \displaystyle\frac{1}{\sqrt{10}} &= \displaystyle\frac{1}{\sqrt{10}} \times \displaystyle\frac{\sqrt{10}}{\sqrt{10}} \\[5pt] &= \displaystyle\frac{\sqrt{10}}{10} \\[5pt] &= \displaystyle\frac{\sqrt{2} \times \sqrt{5}}{10} \\[5pt] &= \displaystyle\frac{1.4 \times 2.2}{10} \\[5pt] &= \textcolor{red}{0.308} \end{align} \) -
まず有理化しないと計算が大変なことになります。
\( \begin{align} &\displaystyle\frac{3}{\sqrt{5} + \sqrt{2}} \\[5pt] &= \displaystyle\frac{3}{\sqrt{5} + \sqrt{2}} \times \displaystyle\frac{\sqrt{5} - \sqrt{2}}{\sqrt{5} - \sqrt{2}} \\[5pt] &= \displaystyle\frac{3(\sqrt{5} - \sqrt{2})}{5 - 2} \\[5pt] &= \displaystyle\frac{3(\sqrt{5} - \sqrt{2})}{3} \\[5pt] &= \sqrt{5} - \sqrt{2} \\[5pt] &= 2.2 - 1.4 \\[5pt] &= \textcolor{red}{0.8} \end{align} \)