今までは主に,与えられた2次関数について考えてきました。 今回は,ある条件を満たす2次関数を見つける練習をします。
目次
2次関数の表し方
今回は,条件を満たす2次関数を見つける練習をします。 そのために,まずは2次関数の表し方を確認しておきましょう。 2次関数の表し方には,次の3つがあります。
-
一般形
-
頂点が
-
切片の 座標が
色んな表し方がありますね。 状況に応じて使いやすい形で表せば,計算が楽になります。 次項から詳しく見ていきましょう。
一般形
まずは2次関数の一般的な表し方から確認します。 2次関数は,2次式の関数ですから,以下の形で表せましたね。
具体的な式を求めるには,
例えば,「グラフが3点
このグラフが上記3点を通るわけですから,
式を整理すると,次のようになります。
この連立方程式を解くと,
このように,2次関数のグラフが通る点が3つ分かっているときは,この表し方が便利です。
頂点が分かる場合
2次関数の式を平方完成すると,頂点の座標が一目で分かるようになりました。
頂点の座標を

頂点が分かっているときには,未知数は
例えば,「グラフの頂点が
このグラフが点
式を整理することで
このように,2次関数のグラフの頂点が分かっているときは,この表し方が便利です。
切片が分かる場合
最後に
まず

このとき,2次関数の式は次の形で表せます。
2次関数の
2次関数の式は,一般には
これで,2次関数の式も次のように因数分解できることが分かります。
次に,

このとき,2次関数の式は次の形で表せます。
さきほどの式で
例えば,「グラフの
このグラフが点
式を整理することで
このように,
確認問題
グラフが次の条件を満たす2次関数をそれぞれ求めてください。
-
3点
を通る -
を頂点とし,点 を通る -
切片を とし,点 を通る
答え
与えられた条件に応じて,計算が楽になるように2次関数の表し方を考えましょう。
-
3点を通ることだけが分かっていて,頂点や切片は分かりません。 この場合は,2次関数を次のように一般形で表すことにしましょう。
このグラフが3点
を通ることから,次の連立方程式が得られます。整理すると,次のようになります。
これを解くと,
です。 したがって,題意の2次関数は です。 -
頂点が
だと分かっているので,題意の2次関数は次のように表せます。このグラフが点
を通ることから,次の方程式が得られます。これを整理して解くと,
です。 したがって,題意の2次関数は です。 -
切片が だと分かっているので,題意の2次関数は次のように表せます。このグラフが点
を通ることから,次の方程式が得られます。これを整理して解くと,
です。 したがって,題意の2次関数は です。
グラフが次の条件を満たす2次関数をそれぞれ求めてください。
-
のグラフを平行移動したもので,2点 を通る -
のグラフを平行移動したもので,2点 を通る
答え
2次関数のグラフの形は,
-
頂点や切片の情報が与えられていないので,関数の式は一般形で表すことにしましょう。 ただし,グラフの形は平行移動前と変わらないので,
の係数は引き継ぎます。 このことを踏まえると,関数は次のように表せます。このグラフが2点
を通ることから,次の連立方程式が得られます。整理すると,次のようになります。
これを解くと,
です。 したがって,題意の2次関数は です。 -
平行移動前のグラフの方程式が分かっているので,
の係数は です。 また, 切片が ですから,題意の2次関数は次のように表せます。