場合の数第 7 回

重複順列

円順列

はじめに

今までの場合の数の問題では,同じものを複数回使うことはありませんでした。 今回は同じものを複数回使える問題を考えます。

目次

重複順列

当たりか外れが出るくじを\(5\)人が引いたとき,皆の当たり外れの組み合わせは何通りあるでしょうか? これはそんなに難しい問題ではなくて,当たりか外れを選んで\(5\)個並べたのと同じ数ですから,次の計算で求められます。

\( \begin{align} 2 \times 2 \times 2 \times 2 \times 2 = 32 \end{align} \)

このように,異なるいくつかのものから,重複を許していくつか取り出して並べる順列を重複順列といいます。 先ほどの例は「当たり」「外れ」という\(2\)つのものから重複を許して\(5\)個選んで並べる重複順列です。

重複順列の場合の数は,次のように求められます。

\(n\)個から\(r\)個とる重複順列

異なる\(n\)個のものから,重複を許して\(r\)個を取り出して\(1\)列に並べるとき,並べ方の総数は次の計算で求められる。

\( \begin{align} n^r \end{align} \)

かなり当たり前の内容です。 新しく暗記するものではありませんが,ものの選び方に重複を許すかどうか,問題をよく読んで間違えないようにしましょう。

確認問題

\(6\)人でじゃんけんをするとき,手の出方が何通りあるか答えてください。

答え

どの人にも手の出し方が\(3\)通りずつありますから,\(6\)人の手の出方は次の数だけあります。

\( \begin{align} 3^6 = 729 \end{align} \)

というわけで,答えは\(729\)通りです。

\(10\)個の要素を持つ集合の部分集合の個数を求めてください。

答え

部分集合は,元の集合の要素をいくつか選んでできるものです。 つまり,どの要素を部分集合に含めるかのパターン数を計算すれば良いわけです。

\(10\)個の要素それぞれに対し,部分集合に含めるか含めないかの\(2\)通りの選択肢があります。 したがって,部分集合の個数は,その選択肢の選び方の総数ということになりますから,次の計算で求められます。

\( \begin{align} 2^{10} = 1024 \end{align} \)

というわけで,部分集合は\(1024\)です。 要素を\(1\)つも選ばない場合の集合(空集合)や,要素を全て選んだ場合の集合(全体集合)も部分集合に含めることに注意です。

次の問いに答えてください。

  1. \(5\)人の生徒を\(\mathrm{A}\)組と\(\mathrm{B}\)組に分けます。 この分け方の総数を求めてください。 ただし\(0\)人の組が存在してはいけません。

  2. \(5\)人の生徒を\(2\)つの組に分けます。 この分け方の総数を求めてください。

  3. \(5\)人の生徒を\(\mathrm{A}\)組と\(\mathrm{B}\)組と\(\mathrm{C}\)組に分けます。 この分け方の総数を求めてください。 ただし\(0\)人の組が存在してはいけません。

  4. \(5\)人の生徒を\(3\)つの組に分けます。 この分け方の総数を求めてください。

答え

組の分け方は重複順列で考えられそうですが,\(0\)人の組が存在しないよう気を配る必要があります。

  1. 各生徒に対し,\(\mathrm{A}\)組に入るか\(\mathrm{B}\)組に入るかの\(2\)通りがあるので,単純に組分けする方法は\(2^5\)通りです。 ただしこの中には全員が\(\mathrm{A}\)組に入る場合,全員が\(\mathrm{B}\)組に入る場合が含まれているので,これら\(2\)通りを除く必要があります。

    したがって,\(0\)人の組がないようにする組分けの方法は,次の数だけあります。

    \( \begin{align} 2^5 - 2 = 32 - 2 = 30 \end{align} \)

    というわけで,答えは\(30\)通りです。

  2. 先ほどの問題との違いは,組の区別がないことです。 生徒に\(1\)番から\(5\)番の番号を振ることにすると,組の区別をする場合は,次の組分けが別物でした。

    \(\mathrm{A}\)組の生徒 \(\mathrm{B}\)組の生徒
    \(1,\ 2,\ 3\) \(4,\ 5\)
    \(4,\ 5\) \(1,\ 2,\ 3\)

    しかし,組の区別をなくすと,これらの組分けは全く同じものになります。 つまり,組の区別がない場合の組分けを\(2\)回ずつ重複して数えたのが,先ほどの組を区別する場合の組分けの数になります。

    したがって,組の区別をしない場合の組分けの数は,次の計算で求められます。

    \( \begin{align} \displaystyle\frac{30}{2} = 15 \end{align} \)

    というわけで,答えは\(15\)通りです。


    ちなみに,この問題には\(0\)人の組が存在してはならないという注意書きがありませんが,\(0\)人の組が存在してはいけません。 \(2\)つの組に分けるといっているのに,\(0\)人の組があったら「分けてないじゃん!」ということになります。

    その理屈でいえば,\(\mathrm{A}\)組と\(\mathrm{B}\)組に分ける場合も注意書きはいらない気がするかもしれません。 実際その辺はややこしいので,普通はこの問題の(1)(3)のように注意書きがあります。

  3. 各生徒に対し,\(\mathrm{A}\)組か\(\mathrm{B}\)組か\(\mathrm{C}\)組のどれに入るかの\(3\)通りがあるので,単純に組分けする方法は\(3^5\)通りです。 ただしこの中には,\(0\)人の組が存在する組分けが紛れていますから,その分の調整が必要です。

    \(0\)人の組が存在するのは,次の場合です。 それぞれの場合の数を求め,それを\(3^5\)から引くことにしましょう。

    \(0\)人? 場合の数
    \(\mathrm{A}\) \(\mathrm{B}\) \(\mathrm{C}\)
    \(0\)
    \(0\)
    \(0\)
    \(0\) \(0\)
    \(0\) \(0\)
    \(0\) \(0\)

    まず上の\(3\)つを考えると,これは生徒が全員ある\(2\)クラスに集中した場合です。 これは(1)で求めた場合の数で,\(30\)通りでしたね。

    次に下の\(3\)つを考えると,これは生徒が全員ある\(1\)クラスに集中した場合です。 そうなる場合は,それぞれ\(1\)通りしかありませんね。

    したがって,次のように表が埋まります。

    \(0\)人? 場合の数
    \(\mathrm{A}\) \(\mathrm{B}\) \(\mathrm{C}\)
    \(0\) \(30\)
    \(0\) \(30\)
    \(0\) \(30\)
    \(0\) \(0\) \(1\)
    \(0\) \(0\) \(1\)
    \(0\) \(0\) \(1\)

    これらを合計すると,\(0\)人の組が存在する場合の数が\(93\)であることが分かります。 以上から,組分けの数が次のように求められます。

    \( \begin{align} 3^5 - 93 = 243 - 93 = 150 \end{align} \)

    というわけで,答えは\(150\)通りです。

  4. 考え方は(2)と同じです。 生徒に\(1\)番から\(5\)番の番号を振ることにすると,組の区別をする場合は,例えば次の組分けが別物でした。

    \(\mathrm{A}\)組の生徒 \(\mathrm{B}\)組の生徒 \(\mathrm{C}\)組の生徒
    \(1,\ 2\) \(3\) \(4,\ 5\)
    \(1,\ 2\) \(4,\ 5\) \(3\)

    しかし,組の区別をしない場合は,これは全く同じ組分けです。 組の区別をする場合に,同じ組分けを何回重複して数えたかを考えれば,(3)の結果を調整することでこの問題が解けます。

    ある組分けについて,分けた組を\(1\)列に並べて,左から順に\(\mathrm{A}\)組,\(\mathrm{B}\)組,\(\mathrm{C}\)組と考えれば,組を区別する場合に同じ組を\(3!\)回重複して数えていることが分かります。 したがって,\(3\)つの組に分ける組分けの数は,次の計算で求められます。

    \( \begin{align} \displaystyle\frac{150}{3!} = \displaystyle\frac{150}{6} = 25 \end{align} \)

    というわけで,答えは\(25\)通りです。